東京地方裁判所 昭和52年(特わ)1517号 判決 1977年11月07日
(被告人)
(一)
本店所在地 東京都中央区八丁堀二丁目一五番二号
日本梱包資材株式会社
(右代表者代表取締役吉田清作)
(二)
本籍 東京都豊島区南大塚一丁目一四九五番地
住居
同都同区南大塚一丁目三一番九号
会社役員
吉田清作
大正九年二月四日生
右両名に対する法人税法違反各被告事件について、当裁判所は検察官五十嵐紀男出席のうえ審理し、次のとおり判決する。
主文
被告会社日本梱包資材株式会社を罰金一、二〇〇万円に、被告人吉田清作を懲役八月にそれぞれ処する。
被告人吉田清作に対し、この裁判確定の日から二年間、右懲役刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告会社日本梱包資材会社は、東京都中央区八丁堀二丁目一五番二号に本店を置き、梱包資材の製造及び販売を目的とする資本金一、五〇〇万円(昭和四九年二月一九日以前は一、〇〇〇万円)の株式会社であり、被告人吉田清作は、同会社の代表取締役として同会社の業務全般を統括していたものであるが、被告人吉田は被告会社の業務に関し法人税を免れようとして、架空仕入の計上、棚卸の除外等の方法により所得を秘匿したうえ昭和四九年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が一九五、三九九、七〇五円(別紙(一)修正損益計算書参照)あったにもかかわらず、同五〇年二月二七日、同都中央区新富二丁目六番一号所在の所轄京橋税務署において、同税務暑長に対し、所得金額が六四、二六三、五三二円で、これに対する法人税額が二三、五八九、三〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま法定期限を徒過させ、もって不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額七六、〇三二、五〇〇円と右申告税額との差額五二、四四三、二〇〇円(別紙(二)税額計算書参照)を免れたものである。
(証拠の標目)
判示冒頭の事実および全般にわたり
一、被告会社の登記簿謄本
一、被告人吉田清作の当公判廷における供述
一、同じく検察官に対する各供述調書(二通)
一、同じく収税官吏に対する各質問てん末書(四通)
一、谷沢忠之の収税官吏に対する昭和五一年一〇月二七日付質問てん末書
一、同じく検察官に対する昭和五二年六月九日付供述調書
一、井出忠男の収税官吏に対する昭和五一年九月三〇日付質問てん末書
一、青木重吉の収税官吏に対する昭和五一年九月一七日付質問てん末書
一、同じく検察官に対する昭和五二年六月八日付供述調書
一、吉田清作作成の昭和五一年一一月二六日付申述書
判示事実添付の別紙(一)修正損益計算書に掲げる科目別当期増減金額欄記載の数額について
<期首たな卸高につき>
一、谷沢忠之作成の昭和五一年一一月二六日付申述書(昭和四八年一二月末現在の棚卸高について)
一、同じく収税官吏に対する昭和五一年一一月九日付、同年一二月二一日付、昭和五二年一月七日付各質問てん末書
一、青木重吉の収税官吏に対する昭和五一年一二月一日付質問てん末書
一、押収にかかる法人税決議書綴一綴(昭和五二年押第一九五三号符号五)
<仕入高につき>
一、収税官吏戸田徳松作成の昭和五一年一二月二〇日付架空仕入調査書
一、谷沢忠之作成の昭和五二年一月一一日付申述書(昭和四九年通知預金の処理について)
一、北海道拓殖銀行浅草支店菅原義雄作成の昭和五一年一一月九日付証明書
一、三井銀行上野支店佐藤英康作成の昭和五一年一二月一三日付証明書
一、谷沢忠之の収税官吏に対する昭和五一年九月一七日付、同年一二月二日付、同年同月二一日付各質問てん末書
<期末たな卸高につき>
一、谷沢忠之作成の昭和五一年一一月二六日付申述書(昭和四九年一二月末現在の棚卸高について)
一、谷沢忠之の収税官吏に対する昭和五一年一一月九日付質問てん末書
<広告宣伝費につき>
一、谷沢忠之の収税官吏に対する昭和五一年一二月二一日付質問てん末書
<租税公課につき>
一、収税官吏東勝夫作成の昭和五一年一二月二〇日付事業税額調査書
<厚生費につき>
一、収税官吏戸田徳松作成の昭和五一年一二月二〇日付福利厚生費調査書
一、井出忠男の収税官吏に対する昭和五一年一一月二九日付質問てん末書
<雑収入につき>
一、収税官吏戸田徳松作成の昭和五一年一二月二〇日付雑収入調査書
一、井出忠男の収税官吏に対する昭和五一年一一月二九日付質問てん末書
<価格変動準備金繰入額につき>
一、大蔵事務官関川朋衛作成の昭和五二年二月九日付証明書
一、青木重吉の収税官吏に対する昭和五一年一二月一日付質問てん末書
<受取利息につき>
一、北海道拓殖銀行浅草支店(支店長金子昭二)菅原義雄作成の昭和五一年一一月九日付証明書
一、三井銀行上野支店(支店長直居栄一)佐藤英康作成の昭和五一年一二月一三日付証明書
一、同じく昭和五一年一二月二四日付証明書
一、青木重吉の収税官吏に対する昭和五一年一一月一二日付質問てん末書
別紙(一)修正損益計算書に掲げた公表金額及び過少申告の事実について
一、法人税確定申告書昭和四九年一二月期分(昭和五二年押第一九五三号符六号)
(法令の適用)
被告会社につき
法人税法一五九条、一六四条一項。
被告人につき
法人税法一五九条(懲役刑選択)、刑法二五条一項。
よって主文のとおり判決する。
(裁判官 松澤智)
別紙(一)
修正損益計算書
日本梱包資材(株)
自 昭和49年1月1日
至 昭和〃年12月31日
別紙(二)
ほ脱税額計算書
昭和49年1月1日
昭和49年12月31日事業年度分
日本梱包資材株式会社